皆様こんにちは。
あっという間に8月ですねー、夏は終わりますが、暑い日は9月になっても続きそうですね。
水分補給をしっかり行いましょう。
今回は少し珍しいアンティークドアの修理のご紹介です。

オリジナルの状態でも既に風合いとしては良かったのですが、塗面の劣化が酷くポロポロと落ちて来てしまうので実用的に使えるように再塗装をご希望されていました。更に片面を新品同様に、もう片面をアンティーク調にして欲しいとのご要望もありました。
以上を踏まえ今回行った修理工程は、
①劣化し剥落する塗面の除去
②平滑な塗面作り
③着色及び重ね塗り
④エイジング
という流れで行いました。それでは細かく説明して行きます。
①劣化し剥落する塗面の除去

まず最初はご依頼主も気にされていた剥落するオリジナル塗面を落とせる所はどんどん落としていきます。
どうしても厚い塗面だと劣化に伴い亀裂や今回のような剥落が起きやすくなります。そのまま上から塗ってしまうと見た目は綺麗になるのですが、本体の木部との密着が弱い為に直ぐにまたポロポロ落ちてしまったり、亀裂が入ってしまうので古い塗面は出来るだけ落としていきます。

広い面積のところは比較的落としやすいのですが、溝など細かい部分はしっかり落とさないと剥がれ易くなるので根気よくやっていきます。
②平滑な塗面作り
ある程度剥落する破片を落としたら、次に滑らかな塗面を作る為に亀裂部分や剥落部分を平滑にしていきます。
ただポロポロした破片を落としただけだと木部と塗面の間に段差が出来てしまっているので、その段差をなるべく無くしていきます。簡単に言うと、ドア両面を全体的にサンディング(研磨)していきます。
これにはもう一つ理由があり、全体的にサンディングすることで表面に細かい傷が付き新しく塗料など塗る時に密着性が高まるのです。なるべく本体の木に密着してくれた方が劣化しにくくなりますからね。
サンディングはとても重要な工程なので大まかに工具で行ってから細部は紙ヤスリを使って手で行っていきます。
大変ですが、サンディングをしっかり行えば後の作業が綺麗な仕上がりになるので気合い入れてやります。(工具を使う場合、木材が弱っていたりするとサンディング中にバキッとなりやすくなるのでお気をつけ下さい。)
サンディング後の様子です。↓↓↓(今回は全面剥離では無いので木目までは出しません)↓↓↓


③着色及び重ね塗り
サンディングがしっかり行えたら、いよいよ着色です。依頼主のご希望されていたオフホワイトを塗っていきます。

最初から厚めに塗るのではなく、薄い層を何層も重ねるようにしながら塗っていきます。
溝や縁は液が溜まりやすくなるので、なるべく均一になるように刷毛で広げていきます。
④エイジング
冒頭でも書きましたが、今回片面をアンティーク調にして欲しいとのことだったので、新品同様に塗った片面だけに少し経年劣化を出す為に傷を付けていきます。勿論、エイジングとしての傷なのでご安心ください。
エイジングはただ傷を付ければ良いというものではなく、程良く劣化させるのがコツです。適当に傷付けるだけだと全体が汚くなり、折角綺麗に仕上げているのに意味が無くなります。
最後に両面に仕上げのニスを塗り終了です。
塗り上がりがこちらになります。↓↓↓

こちらが新品同様の面

こちらがアンティーク調の面(写真だとエイジングが分かりにくいですね)

実際のご自宅に取り付けた写真です。(エイジング面)全体の雰囲気に合う仕上がりとなり、大変ご満足していただけました。
ドア自体の修理は私も初めてで、作業をする中で新たな発見などもあり、大変勉強になり楽しかったです。
今後も様々な家具修理をご紹介していきます。
それではまた。

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